こんにちは。上島ひすいです。
今日は、1月の炊飯講座で学んできた内容の続きをまとめて行きたいと思います。
テーマは
「炊飯器の中で何が行われているのか」です。
各炊飯器メーカーでそれぞれの特長は異なりますが、大枠は同じで
いかに昔のかまど炊きの工程を踏んでいるかが一番の美味しさのポイントです。
では、昔ながらのかまどはどのような工程を踏んでいるのかを説明していきます。
①はじめチョロチョロ
②中パッパ
③ぶつぶつ言うころ火をひいて
④一握りのわら燃やし
⑤赤子泣いてもふたとるな
このフレーズ。地域によって言い回しに違いはあるものの、
聞き覚えがあるのではないでしょうか。
ごはんを炊く工程は「煮る」「焼く」「蒸す」の複合調理です。
この工程をしっかりと踏み、
各工程で最適加熱をする事で美味しいご飯が炊き上がります。
各工程の話ですが、
まずは①はじめチョロチョロの工程です。
お米の表面が水を吸収するという過程です。
沸騰する前にお米の中に十分水を吸わせるという事がひとつの大事な条件です。
炊飯器でのつけ置きの時間はおよそ20分だそうです。
なぜ20分で良いのか。それは、水の温度を上げてつけ置きしているからだそうです。
水につけた温度と吸水率の変化ですが、
20度でつけた場合、飽和吸水率に達するまで120分かかるのですが、
40度にあげた場合、20分で飽和吸水率に達します。
そのため、炊飯器内のつけ置き時間はおよそ20分だそうです。
(炊飯器メーカーによってその辺は異なると思います。)
また、温度を上げて炊く事で、お米の中に十分に水を吸収させる事以外に、
もう一つメリットがあります。それは、甘くなると言う事です。
お米は稲の種子なので、色々な植物の酵素を持っています。
お米のデンプンというのは発芽するための栄養なので、適当な温度に上げると酵素が発芽しなきゃと
デンプンを分解して、グルコース以外の糖に分解して発芽しようとします。
お米にとっては発芽のための栄養素ですが、食べる人間にとっては甘み成分なので、
お米の持っている酵素を活性化させて、お米の美味しさ成分を最大限に引き出します。
ただお米を水につけているだけではなく、
炊飯器はこのノウハウをフルに活用していると言うことです。
次に②中パッパの工程です。
この工程では、最大火力で炊いていき、釜の中を沸騰させてまんべんなく高温にします。
そうするとお米の吸水がもっと促進されて、
アルファ化(お米に水を加え加熱して柔らかくなる事)が進みます。
話は少しずれますが、高い炊飯器と安い炊飯器で何が一番違うと思いますか?
それは、この②中パッパでの火力の強さだそうです。
価格の違いは一体どこにあるのだろうと疑問の一つであったので、聞けて良かったです。
次に、
③ぶつぶつ言うころ火を引いての工程です。
沸騰して蓋からおねばがもれたり蒸気が出たまま沸騰させておくと、
そこだけが焦げて芯の残るご飯になってしまうので、一旦火を弱めてお米の中まで給水させて、
十分アルファ化を進めていきます。
次に④一握りのわら燃やしの工程です。
どんどんお水がなくなっていきますが、そうすると窯底がちりちり言いはじめ、おこげの匂いがしてきます。
時々追い焚きを入れて、水分を飛ばしながらさらにアルファ化を促進させ、
最後余分な水分を飛ばしておしまいです。
あれ、⑤の工程が。。
と、加古さんの説明は非常に分かりやすかったのですが、私がまとめると
こんな感じになってしまいました。
炊飯器の目指すところは、かまどを超える美味しさ。
つまり、かまどで炊くのが一番美味しいのかもしれないけれど、それをいかに炊飯器の中で再現して
美味しく炊くか、と言う事を各炊飯器メーカーは日々努力しているのだ。と言うことが分かりました。
また、お米を炊く場面もその家庭によって違いますし、
炊き立てで食べることのみを考えるなら土鍋が良いのかもしれませんが、
保温あるいは冷めた時の事までを考えるのであれば炊飯器が良いのかもしれませんし、
結局のところ、ご家庭の生活にあった調理器具を使いましょう!
と言う事で今日の話はこれでおしまいです。
以上、炊飯講座まとめ続編でした!